クリスタルの基地

とある作品の二次創作です。

クリスタル3代目 中

「ド、ドドドドドドリブルってなんですか!?」
この子は何しにここへ来たのだろう。
みんなはどんな反応をするだろうか。
「ドリブルも知らないで応募したのー?バカかよ?」
「もしかしてなんの募集か知らなかったんじゃない?」
この子達は失格かな。
子供は素直で分かり易いねー。
「なんだ、サッカーのルールも知らないの?」
この子も失格――
「ドリブルはな、こうやってするんだ。見てな!」
今どきちゃんとこんな子もいるんだな、安心安心。
お手本を見せている男の子は、たちまちゴール前に来ていた。
天馬君と同じくらいか、いやそれ以上かもしれない。
あっという間の15分。
ホイッスルを鳴らし、試合を終了させる。
「みんなお疲れ様、本当はこの後50mくらい走ってもらおうと思ったけど……今の試合で十分だよ。今日は帰っていいよ。明日発表するから、同じ時間にここに来てね」
走ってもらおうと思ったのは、目を瞑ったまま足音だけを聞いていようと思ったからだ。
足音と声が一致すればどんな子なのかすぐわかるから。
だが目でそのまま見ていたから必要ないと判断したのだ。
何人かは決まってるけど……残りはどう決めよう。
こんな時、お姉ちゃんならどうしたかな?
……さっきから聞こえるはずのない音が聞こえる、後ろに誰か……
「ばぁっ!!あははっ!驚いた?」
「だからそれ効かないってばー、普通に来てよね」
背後にいたのはお姉ちゃん、吉良 海奈だ。
監督をやめた今は、家でタイムマシーンの研究をしている。
「別にいいじゃない、男の子って育つと冷めちゃうの?さみしいんだけど」
きっと星人君のことだろう、あの子はクリスタルではなく雷門中のサッカー部に所属している。
大会に出たいからとかなんとか言っていたが、あまり記憶にない。
「もしかしてさっきの試合見てた?」
「バッチリよ!」
「いたんなら言ってくれればよかったのに」
早く来すぎて暇だったとき、お姉ちゃんを探していたのも見られていたのだろうか。
そう思うと少し後悔をした。
「こういうのは陰で見てた方がいいのよ、そこのベンチから見てたけど」
「え。うそ全然気がつかなかった……」
真後ろにいたとは、油断した!!
「じゃあ誰がよかったーとかある?」
「大体は鈴丸と同じだと思うけど、この子と――」
話しながら名簿を指さす。
名前はきっと最初にみんなを呼んだとき覚えたのだろう。
「これでも足りないなー、あ、この子はどうだろう?」
そう言ってお姉ちゃんが指をさしたのは……
「遅刻してきた子じゃん!」
筑紫 すみれ、この名前は間違いなく遅刻してきたあの子だ。
「予想だけど、この子は友達作りたくて応募したのよ。ルールも用語も知らないのに、可愛い顔して度胸あるよね」
確かに、誰かと仲良く話している様子は見られなかった。
むしろあの時、ドリブルについて聞いたときのように避けられていたような気もする。
もしそれが本当ならば、この子は合格決定だ。
「うん、キャプテンはすみれ君にさせるといいわね」
「え!?それは流石にまずいんじゃあ……」
「あの一言も、相当勇気だしてたっぽいし。やれば出来る子よ」
そこまで見ていたのかと、少し驚いた。
見てなさそうでちゃんと見てる、やっぱり先輩なんだな。
「お姉ちゃんが決めたならきっと間違いないね、よーし決定ー!」
そうしてその日の仕事を終えた。





気づいたら3日も経ってました。
これは流石に早すぎじゃない?ねえ??
毎日無駄に過ごしているようでもったいないです
さて、次回でこの番外編は終わりですが、いつもの如くオチが見つかりません
どうしたらいいですかね!